気まぐれなわたし

気まぐれなわたしの返信にあんたは何を思っただろう。わたしが想像した出会い系をたぶんひと通りしたのだと思うと笑っちゃう。ばかなわたし、ばかなあんた。どこまでもばかをつき通そう。

胸ポケットに赤いばらなんかさしていなくても、わたしは見つけだしたよ。あんたの左側面はわたしのスケッチブックにちょっと背中を丸めて収まった。ほら、思ったとおりぴたりと。

話そうと思っていたことが予期せぬ5時間にことごとく打ちのめされたし、暖かいと思ってたこの町も寒さは変わらないんだなあとちょっとばかり裏切られたから、もう話すことは何も思いつかなかった。

車のなかは殺風景なくらい何もなくて、それがなんだか寒いのか緊張のためなのかゾクゾクとドキドキが混じりあって息苦しかった。シートベルトに押さえつけられて人形のようにただ座って見知らぬ夜をみていた。

恋愛ごっこをしに来たんじゃないのよ、わたし。あんたもそうでしょ。不倫SNSはおなじよね、わたしもあんたも。だから面倒くさい心は助手席においておくわね。

クリスマス前の洒落たフランス宿の駐車場は閑散としていた。

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