私の目に映るのは
私の目に映るのはタキシードに身を包んだ普段よりも少し魅力的な男性。いつもの服装ではなくタキシードで決めたその姿に私は胸高鳴り、顔も幾分か紅潮する。
男性は幸せそうに微笑む。優しい瞳で見つめる不倫は白いドレスに身を包む女性。その女性は私の隣に立ち幸せそうな微笑みを男性へと向ける。男性の目には隣にいる私の姿は映らない。
そう今日は2人の幸せの日の1ページ。
私は内心寂しいような切ないような…。
それでも彼が幸せになるのだからと瞳に涙を浮かべながら祝福の拍手を。
彼の微笑みを作れるのが彼女なら…。
彼が幸せになるのなら。
彼を愛していたけれど、彼の幸せは私ではない。
いいえ、愛していたのではない。
愛している。
今でもあの日のことを覚えている。
2人の幸せを見届けた日。
それから2人は幸せな月日を送り、いつしか新しい命も。
新しい命の周りには笑顔が絶えず3人となった家族はいつも幸せそう。
私も3人の家族と共に賑やかな日々を送る。家族にはなれなかったけれど、妊婦である彼女を支え、新しい命の手助けも。
今でも彼を愛しているけれど、彼も彼女も幸せそうな日々は私にとっても幸せそのもの。
そんなある日。
彼が慌てた様子で何かを探し回っている。
泣き叫ぶ我が子も抱かずに不安そう…
心配になって訪ねると
『彼女が突然姿を消した』と。
彼女に何があったのかは分からない。でも不倫サイト、浮かない顔をしたり、疲れている様子だったという。
人間関係に疲れたのか、育児で疲れたのか、それとも他の悩みか…
『前にも突然姿を消して、僕が見つけるまで戻って来なかった』と。
彼の辛そうな様子に私の胸も痛む。
彼女のいなくなった数日は彼のため、新しい命のためにと必死で尽くした。
数日後、『彼女が心配だ。探しに行ってくる』と彼は我が子を連れ、二度と私の前に戻らなかった。
私が覚えているのは、彼が出て行った時の後ろ姿と胸を締め付ける痛みだけ。
彼らの幸せだった日々の最後の姿。
愛する者たちが居なくなる寂しさ。
追わなかった己の愚かさ。
寂しさと後悔と愛しさと。
目が覚めたとき胸に残っていたのは切なさ。
彼への溢れる想い。
彼女への憧れ。
新しい命への愛しさ。
一際、切なさが残る夢。
夢ならハッピーエンドが良かった。
結局私は愛する者を失った。大切にしていたつもりでも失うときは訪れた。
夢の中の話だけれど、目が覚めて涙を流していたのはいつぶりだろう。
1日中、胸に残る切なさは誰への想いか。
いったい何を考えていたらこんなにも切ない夢を見るのか…。
今宵はハッピーエンドの夢が良い。
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2012年1月25日 | コメント/トラックバック(0) |
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